目は左図のような構造になっています。光は目のレンズを通して入り、網膜の上に光が集まることによって画像として認識されます。カメラに例えればフィルムの役割を果たしているのが網膜です。網膜は膜の構造をしており、その膜の上には細胞に栄養を送りこむ血液を運ぶ為に、細小血管という細かな血管がたくさん走っています。
 統計的には、糖尿病を発症してから10年以内の患者様の約4人に1人が、何らかの網膜症を併発しているとされています。20年以上経過すると、約70%の患者様が異常を持つことになります。
 しかし、血糖コントロールが良い患者様の場合には死ぬまで現れない事も稀ではありません。網膜症の発症を遅らせる為にはヘモグロビンA1cを7%以下にするべきと考えられています。



糖尿病網膜症の進み方

単純網膜症
前増殖網膜症
増殖網膜症
障害の状況
  ・網膜の毛細血管がもろくなる
・毛細血管内にできた小さなコブ
 が破れ、点状出血ができる
・血液成分のたんぱく質、脂肪が
 網膜に染み出て白斑が生じる
自覚症状
  なし
治療法
  ・血糖のコントロール
・定期的な眼底検査
障害の状況
  ・点状出血、白斑の数が多くなる
・毛細血管内に大きなコブができ、
 一部で腫れるなどの異常血管
 が増える
・網膜に血液の滞る領域ができる
自覚症状
  なし
治療法
  ・レーザーによる光凝固
・血糖のコントロール
・定期的な眼底検査
障害の状況
  ・新生血管(注@)ができる
・新生血管が破れ、硝子体
 出血が起こる
・増殖膜ができる
・牽引せい網膜剥離が起こる
・大出血が起こると失明に至る
自覚症状
  ・視力の極端な低下
・黒いものがちらつく
・物がぶれて見える
治療法
  ・初期はレーザー光凝固
・硝子体手術
・血糖のコントロール
・定期的な眼底検査
病変は網膜内に留まっている
  新生血管 … 極めて破れやすく、もれやすい血管。蛍光眼底撮影検査などで
         この血管の存在を判定できます



<参考文献>
鈴木吉彦著 「はじめて知る糖尿病」 (主婦の友社刊)