Kidney disease

  腎臓の病気

 

腎臓の位置と形
◆位 置
図のように、腰のやや上にあります。

◆形と大きさ
そら豆のような形で、左右に1対あります。
大人ではにぎり拳ぐらいの大きさで、重さは150g前後です。


   
腎臓の構造
※注1 : 糸球体
図のように毛細血管が糸玉のようにもつれ合った構造をしています。
これがろ過器として働き、血液中の水分や老廃物が外側に浸み出します。
※注2 : ネフロン
糸球体と尿細管をあわせた1つの単位をネフロンといい、腎臓の中に左右あわせて約200万個あります。

 

腎臓の働き

●老廃物を体外に出す
●体の水分量を調節する
●体液中の成分を適度な状態に整える
●赤血球の生成や血圧を調節するホルモンなどをつくる

●尿はどのようにしてできる


心臓は1分間に5リットルの血液を送り出しています。
そのうち約4分の1が腎臓に送られ、糸球体でろ過されて原尿となります。
その後、原尿の大部分は尿細管で濃縮され、
最終的にはその約100分の1が尿となります。

                                          テルモ製薬「腎臓のはたらき」参照

●腎不全とは?

腎臓のはたらきが、正常の30%以下になり、
体内の老廃物や余分な水分を排泄できない状態をいいます。

◆急性腎不全

大けがやショックなどで数時間から数日のうちに腎不全になる
場合があります。大部分が一時的なもので、適切な治療を受けることで
回復する可能性があります。
◆慢性腎不全

数ケ月から数年の年月をかけて徐々に病気が進行します。
腎臓は萎縮し、その働きは回復しません。

腎不全が見つかれば、必ず腎臓の専門医にみてもらい、
その原因を調べてもらいましょう。
●慢性腎不全のもとの病気は?

糖尿病性腎症
糖尿病で血糖のコントロールが悪いと糸球体が障害を受けます。
比較的進行が速いので注意してください。

慢性糸球体腎炎
糸球体※に慢性的な炎症がおき、ろ過の働きがおちる病気で、
一般的に慢性腎炎と呼ばれます。いろいろなタイプがあり、進行の速さも違います。

※注1 : 糸球体
図のように毛細血管が糸玉のようにもつれ合った構造をしています。
これがろ過器として働き、血液中の水分や老廃物が外側に浸み出します。

腎硬化症
腎臓の血管の動脈硬化です。お年寄りや血圧の高い人におこりやすく、
ゆっくり進行するといわれています。

その他に,のう胞腎,悪性高血圧症,慢性腎盂腎炎,SLE(全身性エリテマトーデス),

●腎臓の働きと症状の関係は?

腎機能
軽度
低下期
腎機能
中等度
低下期
腎機能
高度
低下期


腎不全期

尿毒症期
透析
療法期
残された
腎臓の
働き
Ccr値*

(ml/min)

90〜71
70〜51
50〜31
30〜11
10以下
血清Crの
推定値
(mg/dl)
0.5〜1
1〜1.5
1.5〜2
2〜6
6〜8
8以上
腎不全の
症 状
自覚症状
がない
貧血になる
血圧が高くなる
浮腫(むくみ)がでる,など
※自覚症状がない場合も多い
体がだるい
食欲がない
吐き気がする
頭が痛い
浮腫(むくみ)がある
血圧が高い
皮膚にかゆみがある
めまいがする
息苦しい,など

*: クレアチニンクリアランス値
(日本腎臓学会 腎疾患の生活指導・食事療法ガイドライン 1997 参考)

●尿毒症とはなに?

老廃物が体内にたまると、下の図のように全身に様々な症状が出てきます。
これらを総合したものが尿毒症です。

検 査

●尿検査

 尿を採るだけです。

◆タンパク尿 ・・・・主に、糸球体の障害がわかります。
◆血尿・・・・・・・・糸球体の障害によるものと、尿の通り道に結石や癌などができた場合があります。
◆白血球尿・・・・尿の通り道に感染がおきた場合にあらわれます
◆尿糖・・・・・・・・糖尿病などで血糖値が高くなるとでます
◆尿細胞診・・・・尿中の細胞を調べて、診断がつく病気があります

●蓄尿


尿の中にどんな成分がどのくらい含まれているのか、
1日に出た総量を知るために、24時間分の尿を集める必要があります。

●血液検査

検査項目
記号
単位

正常値
腎不全では
コメント
血中尿素窒素※
BUN


mg/dl
8〜20
タンパク質の代謝産物で、食事が大きく影響します。
クレアチニン
Cr
mg/dl
1.1以下
筋肉の代謝産物です。
尿酸
UA

mg/dl
男3.5〜7.9
女2.6〜6.9
筋肉の代謝産物です。
血清ナトリウム
血清クロール
Na
CI
mg/dl
135〜144
98〜108
体内の水分量と深く関係します。
食塩をとりすぎるとむくみの原因になります。
血清カリウム
K
mEq/L
3.5〜5.0
高くなると手足のしびれ、
危険な不整脈を引きおこします。
血清カルシウム
Ca
mg/dl
8.6〜10.4
腎不全になると、低値になります。
血清リン
P
mg/dl
2.5〜4.5
腎不全では、尿からの排泄ができず、
高値になります。
中性脂肪
総コレステロール
TG
T-Cho
mg/dl
30〜150
130〜220
上昇すると、高脂血症、動脈硬化になります。

総タンパク

アルブミン

TP

Alb

g/dl
6.5〜8.0

4.5〜5.5

低くなるとむくみが出やすくなります。
栄養状態の指標となります。
赤血球
RBC
万/μl
男 440〜590
女 380〜520
腎不全ではエリスロポエチン
(赤血球生成促進ホルモン)
が低下するため貧血になります。
ヘモグロビン
Hb
g/dl
男13.6〜16.8
女12.0〜15.2
ヘマトクリット
Ht
%
男39〜45
女35〜43
白血球
C反応性タンパク
WBC
CRP
/μl
4000〜8500
(−)
感染症で上がります。

Fe
μg/dl

男60〜210
女50〜170
不足すると貧血になります。
フェリチン
ng/ml
男13〜215
女12〜100
重炭酸イオン
HCO3-
mEq/L
22〜28
腎不全になると、低下します。
アルカリフォス
ファターゼ
ALP
検査方法により
数値が違います
骨の状態を知る指標の1つです。
副甲状腺(上皮小体)
ホルモン
i-PTH
C-PTH
pg/ml
ng/ml
10〜65
0.5以下
はたらきが過剰になると、両方とも上がります。
血糖値
BS
mg/dl
100
血糖コントロールの指標になります。
ヘモグロビンA1c
Hb-A1c
%
4.3〜5.8
クレアチニン
クリアランス
Hb-A1c
ml/min
100
10ml/min以下になると透析が必要になります。
 

●なぜ食事療法が必要なの?

体を守り、しかも腎臓のはたらきを保持するには、
必要な栄養をとり老廃物の出る食事をさけることが大切です。
腎臓のはたらきに合わせ、老廃物のもととなるタンパクの量をひかえましょう。

栄養素のゆくえ

 
《体の中でのはたらき》
《最終的に》
●エネルギー源となる


●体の各機能を調整する


二酸化炭素(炭酸ガス)



●エネルギー源となる
二酸化炭素(炭酸ガス)



●骨や筋肉をつくるなど


●エネルギー源となる

二酸化炭素(炭酸ガス)



老廃物

●どんな食事療法が必要なの?

何を食べてもよいのです。ただし量を調節し、自分にあった食べ方を身につけ、
少しでも長く続けることが大切です。
食事の種類を選び、量を調節して、腎臓の負担を軽くすれば、
残された働きをある程度まで守ることができます。

 

低タンパク食により腎機能低下が抑えられます。
※毎日、毎食継続すれば、長い間、病気の進行を抑えられます。

ひとりひとり、目標は異なります。
医師のアドバイスを受けながら、体の状態にあった食事療法を実行しましょう。
ここからは栄養士と相談しながら、一緒に取り組んでいきましょう。

タンパク質の量や種類を腎臓の働きにあわせて調節します。
タンパクのとりすぎは腎臓に負担をかけます。

必要なエネルギーをとります。
エネルギー不足になると、体のタンパクが壊され老廃物が増えます。
逆にエネルギーをとりすぎると、肥満や動脈硬化になりやすいので、ほどよく食べましょう。

むくみや高血圧があるときは、塩分や水分の量を制限します。